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田植機の接地調整のしくみ
田植えフロートを含む田植え装置(苗載せ台)は、油圧シリンダーを伸ばして上昇させ、縮んで下降します。


昇降(油圧シリンダーの伸縮)操作はレバーで行ないますが、中央の田植えフロートの前側にあるロッドの上下運動も油圧ピストンの作動スイッチになっています。田植えフロートが接地するとロッドが上がって、油圧シリンダーが縮まなくなり、田植えフロートはそれ以上下がらなくなります。この時、シリンダーにはフロート形状に応じて(底面からの反力=押し返す力に応じて)一定の油圧がかかっていますが、十分な反力が得られない形状に対しては、油圧が足りずに下がりシリンダーはさらに縮む(フロートが沈下する)ことになります。

除草フロートでの接地調整のしくみ
追加の接地調整が必要
中央田植えフロートの前側(接地感知用のロッドが配置されている箇所)は、幅広で、柔らかい田面でも感知しやすくなっています。一方で、除草フロートは細長いので、田面を感知しにくく、接地すると田面にめり込んでしまいます。柔らかい田面から、必要な反力(押し返す力)が得られなくなってしまいます。


除草フロートが田面にめり込まずに接地感知して、油圧シリンダーが作動するよう、足りない反力を補うために減荷ユニットでフロートと田植え装置(苗載せ台)を引き上げて対処します。

減荷ユニット(標準仕様)
昇降アーム上の点と田植え装置(苗載せ台)との距離(吊り上げ距離)は、田植え装置が下がると広がります。この距離の広がりを制限すれは、田植え装置の下がりをコントロールできます。減荷ユニットで、昇降アームに固定点を作り、バネ・ターンバックルで、吊り上げ距離を制御します。


減荷ユニット(車体設置型)
固定点を昇降アームではなく、田植え機本体に設定する方式です。施肥装置付きの機種や、整地ローター付きの機種によっては、昇降アームに減荷ユニットを設置するスペースが確保できないので、この方式で対処します。設置は機種ごとに個別の対応が必要となり、出張取付け作業となります。

吊り上げ距離の調整
吊り上げ距離が大きくなって、バネ・チェーン・ターンバックル全体のたるみがなくなると、バネが伸び始め、同時に吊り上げ力が生まれます。バネの伸び始め(吊り上げ距離)は、チェーンの輪数とターンバックルで調整します。

吊り上げ距離が短くて吊り上げ過ぎると、除草フロートが田面まで下りず、逆に長すぎると、除草フロートが田面にめり込んでしまいます。除草フロートと田面が適切に接地するように、吊り上げ距離を調整します。接地具合は、除草フロート側面のインジケーターで確認します。

耕盤の深さ
吊り上げ距離を調節すると、田植え機の車体に対するフロートの高さが決まります。言い換えると、耕盤からの高さを調整していることになり、結果的に田面に接地させます。

耕盤の深さ(田面から耕盤までの厚さ)が一定でない場合、吊り上げ距離を調節しても除草フロートの接地具合も変わってしまいます。実際には、バネの伸び縮みや接地フロートの浮力、田面からの反力などがり、除草爪・櫛の食い込み深さもあるので、耕盤深に多少の変化があっても、除草効果は得られます。
しかし、耕盤深が大きく変わる場合は、吊り上げ距離の再調整が必要になります。耕盤深さの変化が大きく、かつ激しい場合には、再調整が頻繁に(煩雑に)なる恐れがあります。再調整が不十分な場合は、除草効果にムラができます。
また、深い湿田の場合(耕盤が深すぎる場合)は、吊り上げきれない恐れがあります。